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1.はじめに   2.どうして年を取ると歯が少なくなるだろう  3.むし歯ってなんだろう   4.むし歯になりやすい人、なりにくい人
5.歯周病ってなんだろう   6.歯周病の治療と定期健診   7.歯周病になりやすい人、なりにくい人   8.歯を守るための歯科医院の利用の仕方

     5.歯周病ってなんだろう

歯周病→歯が抜ける→怖い病気、こういうイメージのコマーシャルやテレビ番組をよく見かけます。しかし、歯周病は盲腸や肺炎のように急に悪化する病気ではありません。むし歯よりもゆっくりと進行する病気です。若い時からきちんと対処すれば歯周病で歯が抜けることはほとんどないと言っていいでしょう。
歯周病は相手をよく知ることによって予防できる病気です。

 

健康な歯周組織

 ●図5-1


図5-1は歯とその周囲の組織のイラストです。歯は歯槽骨(しそうこつ)に支えられていて、歯槽骨は歯肉に覆われています。健康な歯周組織では、歯と歯肉はぴったりとくっついています。
図5-2は健康な歯肉の写真です。歯肉が引き締まっています。

 ●図5-2
 ●図5-3

今の日本ではほとんどの方が一日1回以上歯磨きをされています。しかし、磨いたつもりでもきちんと磨くのは意外と難しいものです。長い間にわたって歯と歯肉の間に磨き残しがあると、歯肉が赤く腫れてきて出血しやすくなります(図5-3)。この状態を歯肉炎と言います。

図5-4は歯肉炎の状態を図で表したものですが、次の特徴があります。

原因はプラーク(歯垢)

表面の歯肉が腫れて炎症をおこしている

歯槽骨まで影響は及んでいない

言い換えれば、歯肉炎は歯磨きがよくなくて磨き残しのところの歯肉が炎症を起こしている状態で、正しい歯磨きと歯石除去によって健康な状態に回復することができます。正しい歯磨きの方法は歯科医院で教えてもらうのが一番です。

 ●図5-4
 ●図5-5

歯周炎

歯肉炎を治療しないでそのままにしておくと、炎症が徐々に深くまで進んで歯を支えている歯槽骨が溶けてきます。この状態を歯周炎と言います(図5-5)。
昔は歯肉から膿がでることから、歯槽膿漏と呼んでいました。図5-6はかなり進行して、歯がグラグラになってしまった状態です。
歯周病には歯肉炎、歯周炎があり、共にプラーク中の細菌によって起こる病気です。そのうちの歯周炎が歯を支えている骨が溶ける病気です。この後は歯周炎について考えていきます。

 ●図5-6

 

歯周炎って怖い病気?

「歯周炎は歯がグラグラになって抜けてしまう病気」というように怖いイメージがありますが、確かな知識を持っていれば決して恐れる病気ではありません。

 

●歯周炎の特徴その1:静かに進行する

               ●図5-7

図5-7は平成11年歯科疾患実態調査の歯肉の状態を表したグラフです。この調査から40歳以上の80%以上の人が歯周病にかかっていることがわかります。4mm以上の歯周ポケットがある歯周炎の人も40%を越えていることがわかります。むし歯だったら痛みがあるので治療に行きますね。それなのにどうして歯周病にかかっている人が歯科医院で治療を受けないのでしょう?

それは、歯周炎は静かに進行するので、かなり悪化して歯肉が腫れたり、あるいは歯がグラグラするまで自覚症状がほとんどないからです。気がついた時、見つかった時には手遅れのことも多いので「怖い病気」と思われているのでしょう。
しかし、若い頃から歯科医院で健診を受けていればひどくなる前にわかるので決して怖い病気ではありません。

 

●歯周炎の特徴その2:ひどくなるのは一部の人

昔は10人いれば10人とも同じように歯周病が進行すると考えられていました。しかし、疫学(えきがく)という研究で、歯周病の進行が速い人もいれば遅い人もいることがわかりました。
外国で歯磨きの習慣も歯の治療も受けたことがない500人の人を15年間にわたって歯周病の進行を調べた研究があります。その結果、11%の人は多量の歯石が見られたにもかかわらず歯周炎にはならなかったそうです。逆に8%の人は急速に進行して多くの歯が抜けてしまいました。残りの81%の人は少しずつ歯周炎が進行しました。
このように、日本でも10人に一人くらい歯周炎の進行が速い人がおられます。でも、やはり若いうちから健診を受けてきちんと治療を受ければ進行を止めることができます。

 

歯周炎は薬で治らない

歯周炎は細菌によって起こる病気だと書きましたが、飲み薬で治らないのでしょうか?残念ですが、インフルエンザのように薬で治る病気ではありません。その理由は歯周炎を起こす細菌がバイオフィルムと呼ばれる住みかに住んでいるからです。

 

●バイオフィルム

図5-8は細菌が歯のような硬い表面に住み着く状態を表しています。流しの隅っこにねばねばした汚れが付くことがありますね。あれがバイオフィルムです。たくさんの種類の細菌が増殖してねばねばした物質を作って協力しながら住んでいる状態です。
歯周ポケット内にも同じようなバイオフィルム状態の歯周病菌が住んでいて悪さをしています。飲み薬や、塗り薬を使ってもねばねばの守りにさえぎられて効果がありません(注:歯の表面のバイオフィルムをプラーク(歯垢)と呼んでいます)。

               ●図5-8

 

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