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1.はじめに   2.どうして年を取ると歯が少なくなるだろう  3.むし歯ってなんだろう   4.むし歯になりやすい人、なりにくい人
5.歯周病ってなんだろう   6.歯周病の治療と定期健診   7.歯周病になりやすい人、なりにくい人   8.歯を守るための歯科医院の利用の仕方

     4.むし歯になりやすい人、なりにくい人

「あの人は歯磨きがルーズなのにむし歯になったって聞いたことがないのに、私はこんなに歯磨きをしているのにむし歯がよくできるのってどうしてだろう?」こんなこと、思う人はいませんか。確かにむし歯になりやすい人、なりにくい人がおられます。でも、決して“生まれつき”むし歯になりやすいのではありません。
理由がわかればむし歯は予防できます。ここでは、むし歯になりやすい人、なりにくい人の原因からむし歯予防を考えてみましょう。ヒントは脱灰と再石灰化に関係する要因です。
ここでは、1.歯、2.むし歯菌、3.飲食習慣、4.唾液、5.フッ素に分けて考えてみます。

 

歯に関すること

生まれつき歯が弱いということはほとんどありません。でも、歯の形と年齢によってはむし歯になりやすいことがあります。

●歯の形(図4-1、4-2)

歯の形は一人一人様々です。特に、歯の溝の形や深さは個人差があります。生えてきた時に歯の溝が極端に深い人は、歯磨きを一所懸命していてもむし歯になることがあります。大人の歯が生えてきたら必ず歯科医院で健診を受けましょう。溝が極端に深い場合は溝を樹脂で埋める処置(シーラント)をすれば安心できます。

 ●図4-1
 ●図4-2

●歯と年齢

歯は体の中でも最も堅い組織です。でも、歯が生えてきたばかりの時は十分に歯の結晶が成長していないのでむし歯になりやすいのです。普通、生えてから2年から3年かけて結晶が強くなっていきます。だからこそ、小学校から中学、高校生の間はむし歯にならないように特に気をつける必要があります。むし歯を作らないための定期健診が重要です。

 ●図4-3


中年を過ぎると歯ぐきがやせてきて、歯の根の部分が見えてくることがあります(図4-3)。歯の根の部分はエナメル質よりも酸に弱く、むし歯になりやすいのです。高齢になればなるほどむし歯になりやすいと言えるでしょう。

 

むし歯菌に関すること


歯の表面には300から400種類の細菌が住んでいると言われています。その中に糖分を分解して酸を作る細菌がいます。中でもミュータンス菌は、糖分から酸を作るだけでなく、デキストランというねばねばした物質を作って歯の表面にくっついてとくにむし歯と強く関係しています(図4-4)。
ミュータンス菌は生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には住んでいません。歯のような堅い面がなければくっつくことができないので住み続けることができないのです。赤ちゃんが成長して乳歯が生えてくると、検査をすれば見つかるようになってきます。
「どこからミュータンス菌は来るのだろう?」って思いませんか。

 ●図4-4

研究によれば、2歳前後に直近の保護者(お母さんであることが多いようです)から、唾液を介して移ることがわかっています。特に保護者のお口の中にむし歯がある、ミュータンス菌がたくさんいると移りやすいのです。逆にむし歯をきちんと治療して、歯磨きや生活習慣を正しくしておけば移りにくいこともわかっています。”赤ちゃんのむし歯予防の第一歩は保護者から”ですね。
成人になってからもミュータンス菌がとても多いためにむし歯になりやすい人に対して、その人にあった歯型(トレー)を用いてミュータンス菌を減らす治療も始められています(*1)。

(*1)3DSと言われています。保険適用以外の治療なので別途費用がかかることが多いようです。詳しくはかかりつけの歯科医に尋ねてください。

 

飲食の習慣に関すること

ステファンカーブをみればよくわかりますが、アメを1個、ジュースを一口飲んだだけでも歯の表面のプラーク中では酸が産生されて脱灰が始まります。
Aさん、Bさんを例にとってどちらがむし歯になりやすいか考えてみましょう(図4-5:上;Aさん、下;Bさん)。Aさんは三度の食事の他は4時頃に一回間食をとるだけです。Bさんは午前中はデスクワークでした。口が寂しいのでアメを食べながら仕事をしています。午後からは外回りでした。1件目のお客さんのところで砂糖入りのコーヒーを飲み、2件目のお客さんのところではケーキまでいただきました。夜は風呂上がりにのどが渇いたのでジュースを飲みました。
2人のステファンカーブを比べてみると一目瞭然ですね。間食をだらだら食べることがむし歯を作る最も大きな要因です。

           ●図4-5

最近「キシリトール」入りのガムやキャンディを目にすることが多くなりました。キシリトールは甘みは砂糖と同じくらいなのですが、ミュータンス菌が食べても酸をだしません。その上、消化するために無駄なエネルギーを使うので、徐々にミュータンス菌を少なくさせる効果があります。口が寂しい時やのど飴には、ぜひキシリトール入り(シュガーレスと書かれているもの)を選んでください。

 

唾液に関すること

唾液はむし歯予防に次の3つの重要なはたらきをしています。

糖分や酸を洗い流す作用(浄化作用)

酸を中和する作用(緩衝作用)

再石灰化のためのカルシウムイオンやリン酸イオンの供給源

この唾液がでにくくなるとむし歯になりやすいのです。原因は、

唾液がでにくい体質(私の経験では10人のうち1人くらいありそうな気がします)

常用する服用薬の影響によるもの(例えば、抗アレルギー薬、向精神薬など)

病気によるもの(例えば、シェーグレン症候群)

加齢によるもの

が考えられます。いつも口の中が乾いた気がする、ビスケットやパンを食べる時にパサパサして食べにくくなった、などの時は要注意です。

●図4-6

拡大する

歯科医院では唾液分泌量の検査をすることができます。味のないガムのようなものを5分間噛んだ時にでてくる量を測ります。5分間あたり3.5ml以下だとむし歯の危険が高くなると言われています。図4-6は66歳の女性のレントゲン写真です。
この方は5分間に1ml以下しか唾液がでなくなってしまって、2年ほどの間にたくさんのむし歯ができてしまいました。


唾液の量を増やすには、十分水分を摂取すること、(シュガーレス)ガムを一日に15分以上噛むことなどが勧められています(図4-7)。場合によってはシェーグレン症候群の検査を受けたり、服用薬の変更をしなければならない場合もあります。詳しくは歯科医院でお聞きください。

 ●図4-7

 

フッ素に関すること

平成17年度から神戸市の全ての保育所の4歳時、5歳時クラスでフッ化物洗口が始まりました。日本ではすでに30万人以上の人が学校などでフッ化物洗口をおこなっています。
フッ素は安全で確実なむし歯予防に不可欠な手段です。

フッ素には

脱灰を抑制し、再石灰化を促進する

歯質を強化する

という二つのはたらきがあります。
日本の家庭や学校ではフッ化物配合歯磨剤とフッ化物洗口(図4-8)、歯科医院や保健所など専門家のいるところではフッ化物塗布(図4-9)を用いることができます。

 ●図4-8
 ●図4-9


フッ素配合歯磨剤を有効に使うためには次のような注意が必要です。

一日に最低二回は使う

歯ブラシにつける量は少なすぎないこと(図4-10)

歯磨き後のうがいは、少量の水で1ないし2回程度にして、フッ素が洗い流されないようにする

 ●図4-10

フッ素はあらゆる年齢の方に有効ですが、中でも生えたばかりの歯(高校生くらいまで)や唾液が少ない人、高齢になって歯の根の部分がでてきた人には特に効果的です。

 

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